母屋となる和風住宅の広い敷地の隣に若いご夫婦が住む和モダンな新築のお家が並びます。ぱっと見別々のご家庭に見える、それぞれテイストの異なる建物を繋ぐ外構をというご要望です。核家族が増える中、こういったご要望は私どもとしてもご家族の絆を感じる、とても心温まる力の入る内容になります。
敷地が非常に広いため、直線を基調とした伸びやかな外構をイメージ致しました。門柱はテイストの違う建物を結ぶために存在感のある重厚なデザインを採用。天然石の門柱とスライド門塀が家人と客人を迎え入れます。植栽も長めの門柱に合わせてスペースを区切り、高低バランスよく配置致しました。
土地の広さ故、横に間延びしてしまう弱点を補うため、三協アルミのMシェードを使うことにより塗り塀の向こうに覗くトラス構造のフレームをアクセントに。新居のリビングから母屋に向けてせり出すウッドデッキはそのまま先に続くタイルガーデンに繋がり、二棟の橋渡しをします。タイルガーデンの上に広がるMシェードが雨をしのぎ、家族の憩いの場を明るく包み込みます。
それぞれのお家へのアプローチは自然石の乱形貼り。タイルガーデンの手前まで曲線を描きながら一本で伸び、そこから二手に分かれます。ここで最も拘ったのが、アプローチの三差路、ちょうどタイルガーデンの手前に作った水盤。誰もが一旦ここで歩む足を止め、流れる水に見入ってしまいそうです。水盤の向こうにはMシェードとグランドレベルを繋ぎ、目隠しにもなる常緑樹の植栽を配置しております。
それぞれのご夫婦には家に帰るのが楽しみで仕方ない、2世帯で過ごす時間が長くなりそうと本当に好評で、テラスでは近所の方を呼んでパティーをしたいと仰って頂きました。
私どもも、二世帯を結ぶ貴重な経験をさせていただくことに感謝しております。
